考えよう!高齢者とペット(メリットではなくデメリットに着目)


前回は、経験を主とした高齢者とペットについてをお話ししながら、人とペットの高齢者化社会について課題を考えながら書いてみました。

ペットと高齢者が良いパートナーとなれること、互いに求めあうメリットは十分にあるとしながらも、やはり上回るデメリットがあることが問題です。


今回はさらに実際に高齢者とペットの良い関わり方はないだろうか、具体的な提案も考えながら書いてみたいと思います。

前回のブログに書かせていただいたように、我が家のケースのような家族と暮らす高齢者とペットの関係の場合、高齢者にできないことは家族のサポートが得られることでも、実際には一人暮らしの高齢者が増えています。そして、一人暮らしの高齢者の家族であるペットの取り残される現状と問題が増えています。


◼️ 地域の理解とサポート

「飼いたい高齢者」と「飼われたい犬」の気持ちを叶えるというメリットを結果として考え、飼いたいけど飼えないというデメリットに対して新たに取り組むことが出来れば……

デメリットに対して取り組む

問題に対しての対応、対策として里親募集やセンターなどの譲渡のなかで高齢者を対象外として規制してしまうことではなく、高齢化社会、社会問題のひとつとして捉え、高齢者への譲渡条件を厳しく設けるのではなく、新しい体制を各自治体で話し合い、定期的に訪問したりする見守りシステムを設けることができれば、孤独死の問題や定期的な訪問による飼育指導、推測される問題に対しても対策を投じれることにもなると思います。

高齢者ならではの「難しい」部分をサポートしてくれるシステム

通常は、ペットショップで買ったり、譲渡が完了した段階で飼い主の責任に委ねられるわけですが、高齢者の場合には、ここを工夫できないかということです。

高齢者による病気、入院、死亡
犬のお世話や高齢犬の病気などに対する『サポート』を地域全体で見守っていく体制です。
これであれば、私たちのように飼い主としての多くの責任を持つには不安と無理が生じる高齢者も、地域や近隣の皆さんが肩を貸すように協力と理解を得られれば、その負担や責任を共有することで、社会から疎外されがちな高齢者の方が地域との関わりを持ちながら、ペットを飼うことが可能にもなるはずです。

大変じゃないか・・・。
と、言われるかもしれませんが、当たり前じゃないですか、大変ですよ。
だからといって高齢者を社会から疎外する事のほうのが問題だと思いますし、メリットがあるならは、本気でデメリットに対して取り組んでも良いことなのではないでしょうか。

この取り組みは、孤独な生活と最期を迎える高齢者や、悲しい最期を迎えるばかりの不幸な犬たちや譲渡犬となりにくい高齢犬のためにも考えます。
結果のひとつとしては、譲渡を待つ保護犬たちの可能性の拡大、里親となる高齢者の方が、ペットという犬を通して、心身の健康と豊かな老後を送ること、その周りに必要となる「サポート」という地域との繋がり、話し相手を得ることで、より大きなプラスを得ることにも繋がると思います。


◼️ 地域の取り組み

そこで少し考えてみたのです。
各地で広がる地域猫という取り組みについてのこと。

地域猫は、一代かぎりとして不妊去勢を済ませた野良猫たちが地域の猫として市民ボランティアによる見守り飼育と管理をされています。

犬たちもまた一代かぎりとして、地域の犬として飼っていただけたら良いなぁと。

ただ、放し飼いということではなく、空き家やオーナーの居なくなった廃墟となる家が増えていると聞きます。そうした場所を地域が管理し、憩いの場として「再利用」するのはどうなのかなと。

地域の住民とペットたちのため「老猫・老犬ホーム」などにしても良いのではないでしょうか。

地域猫の制度が広まっていても苦情やトラブルは絶えないと聞きますし、地域猫もこうした場所での活動として餌やりやトイレなどの設置をして管理をしていけば、個々に活動するよりも自治体管理のもと助成金を利用して、市民が協力しあえる場となるなら今よりも望ましい形にもなるのではないでしょうか。

命の大切さを学びながら触れ合えるペットの飼育を学ぶ教育の場として、子供たちも家族で行き来出来る地域の安全な団欒の場となれば、高齢者の一人暮らしの方が実際にペットを飼うことが出来なくても、ペットを囲んで集まる場が生まれれば、会いにいく楽しみ、お世話をする楽しみ、お手伝いする楽しみなどにより、張り合いや生き甲斐、コミュニケーションを通じて飼うことに似た健康効果もあるのではないかと思います。
また、このシステムは原則として事業としてではなく、各自治体、地域のボランティアの取り組みとしてのものなので、運営の方法も考えていく必要がありますし、ボランティアや地域の皆さん自身が動物たちの世話に取り組むものですので、細かな配慮や取り決めなどは当然必要だと思いますが、関心を持ちあって、求め合い支え合って生きることができれば、大切な場所にもなりますよね。

例えば、ペットを飼っている高齢者の皆さんにとって、お世話の仕方、ペットの具合が悪いときにも相談できたり医療行為についての相談ができたりすることができます。

そして、飼い主が死去した後
その飼い犬のその後についても予め相談したりお願いしたりもできます。

家族が大事に飼育してくださるのか、地域の老犬ホームに迎えるのか、地域で里親募集されるのか、どうするのかなど決めておけることは、とても心強いサポートとなることでしょう。

また家族を失う立場である犬たち、ペットとなる犬たち側からみたときの心身のケアも考えていただきたい思います。私たちがペットを失うときの気持ちと同じように、動物にも心があるものです。

我が家の犬たちのなかでも、過去に仲の良かった犬たちの相棒が先に天寿を全うしたとき、ある犬は亡くなるまで夜に遠吠えをしたり、ある犬は鬱のような症状をみせた事もありました。

犬たちにとっても、飼い主さんは掛け替えのない存在であるのです。
なかでも老犬たちの場合には、心身の状態は心配なものです。

取り残される犬たちの里親募集を見かけますが、確かに行き場を失うことは一番の問題かもしれませんが、老犬たちが慣れない新しい環境に置かれることの負担を考えるだけでも、正直なところ複雑な思いもあります。
だからこその理解とケアをお願いしたいものです。。

私自身、愛犬とお散歩にいくと、中高年や高齢者の方々が愛犬とともに元気に散歩をされていて、その姿を目にしながら、愛犬と仲良く過ごせる老後、近隣のコミュニケーションを深めることのできる豊かな老後の人生を大切に思うことがあります。


私も自身の家族との経験や普段の活動のなかで思うことや、(上の)記事を読んで感じたことなどから、考えたばかりのこと、もちろん不完全であり完全なはずもないもく、夢のような未来ばかりが詰まっているものかもしれないです。

しかし、これから私も迎える高齢者となる時代がきたとき、このような地域との接点を持つつつ、好きな動物とも関わりあって出来る限り暮らしていきたいし、こんな取り組みがあればいいなぁと「希望」をこめて思ったものです。(実際に自身の地域の自治体には要望を出して提案をしていきたいとは思っています。)

物言わぬ家族であり、心ある家族である犬たち。言葉を話せない犬たちばかりが人の社会で取り残されてる現代の動物愛護の問題は、いつのまにか社会から家族から切り離された一人暮らしの高齢者にも同じように思いを寄せて考えてもらいたいと、最後にお願いしたいと思います。


◼️ 犬の高齢化社会

人間の都合は、時にそれだけで動物にとっては命の危険や健康を損なうようなものです。

忙しくて世話をしきれないから、病気になったから、年をとったから、さまざまな身勝手な理由からの持ち込みによる飼育放棄や遺棄、ネグレクトと言われる虐待の認識さえない飼い主が安易にペットを手にしたあげく増加している問題を私たちは抱えています。

世界ではどうでしょうか。
年老いた犬の最期を看取るための施設や取り組みもなされています。

日本にも老犬ホームはあります。人と同じく料金が発生するものです。飼い主がお金をかけて専門の場所に犬の世話を依頼する形ですので、この場合は事業となるのだと思います。


いくら愛情や思いがあっても、実際に利用できるのは、責任と経済力のある飼い主、一部の恵まれた飼い主とペットの場合ではないでしょうか。

そのほかにも僅かであれ、個人のボランティアの皆様によりこうした取り組みにより救われている命もありますが、それは事業でもなければ、善意と好意からですので、限界はあります。


動物医療の進歩、栄養面と安全性の食の進歩によって、長生きしてくれるようになったペットたち。飼い主としては少しでも長く、出来るならずっと一緒にいてほしい家族ですが

人と同じように高齢となれば、体力は衰え、カラダの不自由さに悩み、病気以外にも痴呆・徘徊・排尿困難・寝たきりなど、さまざまな老化の症状に襲われます。

飼い主となる私たちは、家族であるペットの老化について正しい知識を備えているでしょうか。

長生きすることを苦痛にしないように、シニア期もともに楽しく暮らせる生涯にするためには、私たちはこれから何をすべきなのでしょうか。


◼️ 人と動物の共生

生涯の不安を共に手を取り合い暮らせる環境を少しずつでも整えられる、そんな取り組みが出来るようになっていけばと……  動物好きな高齢者が、あきらめることなく、ペットを手放さなくてもいい、本当の福祉の仕組み、高齢者の暮らしや問題に寄り添う施設や自治体によるサポートシステムが身近になる社会になればと心から願っています。
推測するに「ペットブーム」の起こった要因のひとつには、過労死や孤独死などの悲劇と問題を抱え、人が支えとなる癒しや安らぎ、心身の健康を求めていたんだろうと思ったりしました。

だからといって、私たちと同じ命ある動物を人間本位でビジネスは勿論、人間の利点だけのために利用するのは社会としても人としても危険な行為ですよね。
Lovely days  CHIKA'S MIND TRIP



追記・・・

以下に掲載させていただきます。
癒しグッズ、健康グッズのような、しかも、人間本位のことばかりを効果やメリットとして紹介される記事です。これが「ペット暮らし」と名乗るサイトだとは……強めにいえば悪影響にさえ感じました。(●`з´●)コラ

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昨今のネコブームの影響からか、イヌよりもネコの飼育頭数が増え、ペットとしての人気に拍車をかけているネコ。もちろんデメリットもありますが、これだけ人気を集めるのは、やはりメリットが多いのが理由でしょう。今回はネコを飼うメリットについて探ってみましょう。 癒し ネコを飼うことのメリットと言えば、なんといっても「癒し」でしょう。そのあどけないしぐさや気ままな行動が、どれだけ疲れた現代人の「癒し」になっていることか計り知れません。この「癒し」は、こんな効果も得られるようです。 ・ 孤独感から解放される ・ 恋人と一緒にいる時と同じ幸福感を与えてくれる ・ 愛情、感情が豊かになる 勝手気ままなネコですが、時に"ごろにゃ〜ん"と甘えてくれたり、帰りを待ちわびていたかのように玄関先でお出迎えしてくれたり。まるで大好きな人と一緒にラブラブ生活を送っているような、そんな気持ちになれると思います。一人暮らしでのネコ飼いさんが多いのも納得ですね。 健康効果 「癒し」は、幸福ホルモンと言われるオキシトシンの分泌量を増やしてくれることで、健康効果も与えてくれているようです。 ・ 体温が上昇し、免疫力が高まる ・ 血圧が安定する ・ 自閉症の助けになる ・ 心臓発作や脳卒中などでの死亡リスクを軽減する アメリカのミネソタ大学では約4千人を10年間にわたり追跡調査し、ネコを飼っている人はそうでない人と比べて、心臓発作の発症率が約30%少ないことを判明させてそうです。 他にも、ネコとのふれあいとオキシトシンの分泌に関しては実際に研究・実証され、アニマルセラピーなどとして医療現場でも用いられているようです。 飼育が楽 ネコを飼っている人は既に実感されていると思いますが、ネコの飼育はイヌと比較するとずっとラクだと思います。毎日お散歩に行く必要もないし、お風呂も頻繁に入れる必要がありません。トイレのしつけも数回で覚えてしまうネコが多いです。飼い主さんのちょっとした旅行中のお留守番だって出来ちゃいます。とはいえ、壁で爪を研いでしまうこともあるので、最低限のしつけは必要です。 現代社会においては、イヌよりも生涯かかるお金が少ないこと、イヌよりも狭いスペースでも飼育可能なことも、ネコを飼う人が増えているメリットになっているようです。手間がかからないことから、高齢者のネコ飼いも増えているようです。 責任感が増す

ペット暮らし


こうしたものには、断固反発します。
現在、起きてる問題、起こり得る問題を考える上で、メリットなどを見ていては、負の蓄積で改善はできません。

メリットなどではなく「デメリット」に着目し、彼らにどのような問題が起きていて、その問題の解決に取り組むには、私たちがどのようにしたら良いかということを合わせて「人間の欲の責任」として、考えてくことが必要不可欠だと思っています。

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