悲劇を生んだ原因は何処にあるのか…
鹿児島市消防局によると8日午後5時すぎ、鹿児島市平川町の鹿児島市平川動物公園の職員から「職員がホワイトタイガーに襲われた」と119番通報があった。
消防局によると、動物園の男性職員1人を市内の病院に搬送したが、心肺停止状態。鹿児島南署によると動物園の飼育室で男性職員(40)が首から血を流して倒れていたという。発見当時は閉園後で、客にけがはなかった。
消防局によると、救急隊員が園に到着した時には展示用の飼育室のおりの中で男性職員が倒れ、襲ったとみられるホワイトタイガー1頭も麻酔銃で眠らされている状態だったという。同動物園によると、園ではホワイトタイガー4頭を飼育しており、このうちの1頭が職員を襲ったとみられる。園を設置した鹿児島市によると、2011年に民間会社からホワイトタイガーを園に贈られたのを機に飼育を始めたという。園のホームページによると開園時間は午後5時まで。
ホワイトタイガーはインドなどに生息するベンガルトラの白変種で、1950年代に初めて見つかったとされる。国内でも各地の動物園が飼育しているが、近親交配の結果、関節の形成不全といった障害がある個体が生まれたり、一般的なトラより短命だったりすることが少なくない。
一夜明けて…
先ほどの「ニュース速報」では、園の記者会見されてると言われていました。まだ40歳と若い有望な飼育員を失ったことについて残念であること、詳しい状況を確認中とのことでした。
現在の動物園は、閉鎖ではなく通常通り開園されていますが、ホワイトタイガーのあたりだけは立ち入り禁止となってるそうです。
(以下は昨夜 書いたものです)
残念ながら飼育員のかたは亡くなられたそうです。動物園関係者、動物園に行かれていた皆様、何よりご家族の皆さんの気持ちも考えると何一つ言葉もありませんが、ご冥福をお祈りさせていただきます。合掌
突然とても嫌なニュースが耳に入りました。人にとっても動物にとっても両者に共通する悲劇であり、両者ともに被害者であると私は感じます。
こんな悲劇は招かずに済むはず
この日までは何もなかったように
今日この日、なにがあったのか。
これが素直に浮かんだ気持ちです。
ニュースを見かけたあと、我が家のウーさんを抱きながら問いかけました。ウーさんが人や他の動物を噛むならどんな時か。噛むふりをして相手に注意や警戒心を与えるのはどんな時なのかと…。
けれど彼はしないし、そうしたことは先住犬たちも一度もなかった我が家では正直、分からない。
そもそもネコ科とイヌ科だから違うかもしれないけれど。そもそも野生動物とペットじゃ全然違うけれど。
それでも繰り返し考えています。
ある犬たちの事を思い浮かべました。心に事情を抱えた噛み付く犬たちのことです。酷い遺棄のされかた、酷い虐待の痕、飼い主という背景と過去に必ず原因があって、それを避けるためにか、不意にフラッシュバックするのか、興奮すると何かの拍子にスイッチが入って噛んでしまう犬たちがいました。やめて!という言葉の代わりの抵抗という意思表示、恐怖から苦痛から逃れるため、身を守るための手段という理由のようでした。
この場合、生まれながらのペットではない野犬の場合のが近いのかもしれないけれど、年齢に関係なく家庭犬と違い落ち着いていて大人しい。
人をよく観察していて、状況判断に優れていて、一瞬の気の緩みや慣れなどの何かしらの「隙」を感じた瞬間に脱走する。
それが野生動物なら、脱走ではなく襲うといった行動になるのでしょうか……。
ホワイトタイガーも飼育員さんを傷つけたことで興奮をしたり、血を感じて動揺してるだろうし、そっとしてあげてほしい… そして、すぐに麻酔銃で対処されたことに感謝したいです。
今の時点で私はどちらも「理由」があって「被害者」であったと思うけれど、トラが悪いとか、人間が悪いとか、どちらが悪いとかの話ではない。どちらにも聞けないんだもの想像してみることしかできないだけ。
ただ絶対に起きてならないことが起きただけ。起こしちゃいけないことが起きてしまったという、とても悲しすぎる事故です。
園側の体制と不可解な状況…
それでも少なからず、専門家である飼育員が管理していたことであれば、防げるはずの事故には引金になった原因は必ずあるのだとは思うんですよ。
展示用の飼育室の檻の中で男性職員が倒れていたありますが、防犯のためのカメラなどはないのでしょうかね、、、
肉食動物のトラを別室ではなく、同じ室内で飼育員が何か作業するなんてことが普通とは思わないし、いつ襲われてもおかしくないほど危険すぎる不可解な行為です。
もちろん、動物園側は普段からどのような体制がとられていたのか説明が待たれるところなので、今は個人的な疑問でしかないけど、小さな動物や草食動物などと違い、危険が起こりえる万が一のことを考えれば、飼育員さんが1人で???なんてことも疑問だらけなんですよね。
何か起きてはいけないし、何か起こさないよう危険防止のためにも、最低でも2人での作業は必要なんじゃないのでしょうか?
トラの生態についても、自身のミスに対しても、「絶対なんてない。」どこまでも危険はあるもので、安全を守る、安全を確保する、それに取り組むことしかないんじゃないのでしょうか。1人での作業なんて、あまりに危険と責任が大きすぎて私なら嫌です。
もしも1人での作業をされていたとなれば、やはり「移動や施錠のミス」なのかと思ったりもしていて、1つ思い出しました。
長野県小諸市動物園
ライオン舎で起きた事故を覚えていますか?あの時の背景を思い出していたのですが、今回と同様、動物園という場所でのショッキングな事故でしたが、幸いにも飼育員の方も重傷であったけれど命に別状がなかったこと、さらに閉鎖中と再開された時の小諸市や動物園の対応、人と動物に対しての動物園らしい配慮を持ったもので、その中でもライオンにも会いに来てくださいとのコメントがあった事を良く記憶に残っています。
事故が起きた原因には「人為的ミス」と判断されてことからライオンが殺処分されなかったのは、いま思い出しても意外というか日本なら直ぐに「処分」して動物に責任を負わせるだろうと思っていたので、とても驚いたほど嬉しいものでもありました。
詳しく知りたくて、このときのニュース検索してみましたが、以下の記載がある記事が残っていました。
坂本委員長は「飼育員が被害者であると同時に、飼育員の判断で事故が起きた点ではライオンが被害者といえる。ライオンを殺処分にしなかったのは適切な判断だ。各機関が当事者意識を持って再発防止に取り組むことを願っている」と述べた。
当時も読んだかもしれないけど改めてこうして読み直すと、起きたことは不運にも「たまたま」というミスなのでしょうが、そもそもの動物園側の管理体制にも問題があったわけでもあるんですよね?
これが動物園ごとに違うのか…
かなり安全性が問われる問題があちこちにもありそうな気がしてきました。
海外での事故
海外では、保護したトラや生まれた小さな頃からのトラを愛し家族のように飼っている人たちなども見かけたりしますが、それでさえも事故は起こりえる事だし、かなり昔なのですが、ラスベガスのホワイトタイガーショーで有名な方々も、ショーの最中に首を噛まれた事故がありました。
このトラは後にショーを開催していたホテル内にある希少動物を保護する「Secret Garden and Dolphin Habitat」で飼育されていました。
私がラスベガスに行った当時、動物の扱いが日本とは違うので、この保護施設というものに関心があり、海外ではどのように飼育され展示されてるのか、ラスベガスという場所でそれが可能なのかと楽しみに行ったことがあるのです。動物の生息する世界に足を踏み込むという感じ、迷い込んで木陰にいる動物を声を出さないように覗き見てるような、ひっそりとした「Secret」と言われる意味がわかるような。規模の大きさは然程でもなかったと思うのですが、それまでの動物園に行くのと違って何となく姿勢を学んだような、体感したことのない感覚を思い出します。
話は少し外れてしまいましたが、この時の説明としてこのようにあります。
ショーは2003年10月、ロイがホワイトタイガーに観客の目の前で首を噛まれるという、ショッキングな事故が起きたため打ち切られました。ロイを噛んだ17歳のトラでMantecoreという名前。ただし襲われたのではなく、ロイがステージ上で目眩をおこしたため、舞台の袖まで引きずり助けてくれた、と2人は考えています。失血のため一時重体となったロイは無事回復し、2009年にはチャリティーショーに同トラのMantecoreとともに登場しています。(2014年3月19日Mantecore病死しています。)
実際にはどうだったのかは分かりませんが、お2人の判断によりトラはその後も病死するまで手元に置かれていたようです。
いろんな意見と感じかた…
- 殺処分しないよね?
- 殺処分しよう。危険だ。
- 勝手に捕まえてきて勝手に閉じ込めていて、襲われたから殺処分は理不尽。
- トラは悪くない。
- トラが可哀想だ。
- 過信し過ぎ。
- 何か原因があるはず。
- 動物は悪くない的な早まった反論と謎の上から目線説教コメントしてくる奴多すぎて草。
- やっぱりトラは猛獣なんだなぁ。
- ストレスがあったのだろう。
これは一部ですが、テレビのニュースを見た後、SNSのニュース記事下に並ぶコメントも読みました。
トラの身を案ずる殺処分についてを問う意見、その意見に対して注意のような意見、危険だ処分しろといったものが印象的です。動物に関する場合のイメージ通りの展開でした。
殺処分という言葉に強い反応をされるのか、、きっとこれから更に「殺処分」についての意見が過熱してきそうですね……。
事故が起きれば動物も人も不幸、問われる動物園の安全管理
犬や猫についての「殺処分」について常に書くことなので、いつも読んでくださってる皆さんなら理解もされてると思うのですが、この事件については、今は飼育員の方が亡くなられたことの悲しみに対して悔やみ、ご冥福を祈るとともに、当事者による話が聞けない以上、事故の起きた背景と招いた原因の解明が最優先ですよね。
その上で、人も動物も安全な運営を願い、動物園の作業環境や人員配置などの体制、事故原因に含まれる「安全対策」を挙げて「再発防止策」を求めるものではないでしょうか。
原因の解明と今後の課題となる改善などの再発防止策が出て、結果がどのようなものであるのかが大切で、その1つして、加害者であり被害者でもあるトラの今後の立場を考え「判断」されるものであると思いました。
もちろん個人的な考えとしては、トラの立場も思えば、より安全策をとることで終生飼育に努め、出来る限り「処分」という判断はとらないでほしいと願い思ってもいます。
もう辞めようホワイトタイガー
— 東工大生(TIT)jk17 (@tokyotechTIT) October 8, 2018
自然界には存在しない個体だ
No More 人工ホワイトタイガー
こうしたコメントのなかで、私が頷けたのは上の「言葉」でしたので、貼らせていただきます。
人が招く災い
どこまでいっても野生動物。
最初にも少し書かせていただきましたが、いくら人間の飼育管理下にあっても、生きる上で人に従っていても、飼いならされたわけではなく、その動物そのものにある本能を忘れてはならないし、身の回りにいない野生動物を尊重し生態を学ぶ貴重な場であることは忘れないことだと思う。
私たちは身近な犬や猫のようなペットと暮らすので、飼育してることで僅かな慣れやズレが生まれたり忘れたときに、このような事故が起きるんじゃないかなぁ…とも思いました。
野生動物も狩をし、私たち人間も狩をします。しかし人間は道具を使い狩をします。銃をもつ動物。
どんなに大きな動物も殺す力があるから、どこかで銃があればと過信してるところがあるのか。飼いならそうとすることがそもそもの間違いな気もしますが、擬人化は危険な行為ですよね…。
野生動物をペットにする人達が増えているけれど、大きな自然界で、それぞれにあった環境で暮らす動物が、私たち人間の環境や生活に合わせられる野生動物を見ていると、なんて残酷な行為で可哀想なのだと思います。
密猟の犠牲から親と離れた動物や傷ついた動物の保護のためなら分かります。それでも自然界へ戻すために保護し飼育されますよね。
前にもブログにしましたが、日本でも人間の便利な生活から被害を受けたオオタカなどを保護して自然に戻されることをされています。
いなかった動物が日本で繁殖したり、固有の動物が絶滅したり、世界的にみても絶滅の危機を迎えてる動物が多すぎるじゃない。
- 地球の環境の問題
- 野生動物の生息地が失われる問題
- 娯楽的なハンティングの問題
- 貧困問題が関わる国レベルの密猟による深刻な動物の被害問題
人間と動物にとって本当に必要のは何でしょうね。動物を見せるという動物園の在り方より、絶滅危惧種の保護に取り組むべきだと思うけど。。。
人間と動物の安全について
亡くなられた飼育員さんについては、好きな動物、動物たちのための動物園での仕事をされていたと思います。
このようなことになって凄く凄く残念です。。。
このような事故を他の動物園であっても起こさないためにも、一日も早く、どういう体制で普段からお世話をしていたのか、徹底的に検証と原因の解明を願います。そしてこれは、この動物園だけのことではなく、どの動物園にも考えてもらいたいことですね。
亡くなられた飼育員の方の死も決して無駄にしないでほしいです。
Lovely days CHIKA'S MIND TRIP
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